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598
進歩性審査基準/特許出願の要件(外国)/課題解決アプローチ(US)・ケース1 |
体系 |
実体法 |
用語 |
課題解決アプローチのケーススタディ1(米国・肯定例) |
意味 |
ここでは米国特許出願の実務で関連技術の範囲の解釈への課題解決アプローチの適用に肯定的な事例な事例を説明します。
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内容 |
@前提的事項
米国特許出願の実務では、関連技術の範囲外から先行技術を引用することができません。関連技術の範囲の解釈として課題解決アプローチと機能的アプローチとがあります。前者は業種を超えて課題の共通する先行技術文献を引用するものであるため、特許出願人/権利者は、それを嫌って機能的アプローチを主張する傾向が見られます。
A事例1 押下げ用キャップ付きのポンプ式スプレー事件(383 U.S.1-(II))
(a)発明者は、殺虫剤用の容器として、壊れにくくかつ本体を一体成形したスプレー容器(瓶口に装着するスプレー本体のシール構造に特徴があるもの)を発明しました。
(b)その進歩性が争われたときに、権利者側は、当該商品は殺虫業界で商業的に成功したこと、この業界の当業者にとって、注ぎ口をシールする蓋の特許はスプレーとは関連しないことを主張しました。
(c)裁判所はその主張を退けました。発明者が直面している問題は“機械的な閉塞部”の問題であって、殺虫剤は関係ないから、その課題から蓋の発明とスプレーの発明との組み合わせは自明である、と判断したのです。
B事例2 ゴルフバッグアクセサリー事件(433 F.2d 808)
(a)発明者は、ゴルフクラブを細長い筒に収納するゴルフ用品収納器具を発明しました。
(b)同種の収納器具との主たる相違点は、筒の先端をカールさせ、カール内に補強リングを挿入した補強構造にありました。
(c)米国特許商標庁は、排水管の管部の補強構造を第2引例として引用し、特許出願人は排水管の発明とゴルフ用品収納器具とは技術的に関連がないと主張しました。
(d)裁判所はこの主張を退けました。“細長い筒の端部を補強する”という課題の共通性により先行技術は関連発明であると判断したのです。
→課題解決アプローチのケーススタディ2(米国・否定例)
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留意点 |
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