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690
進歩性の判断手順/進歩性審査基準(特許出願の要件)/発明できた |
体系 |
実体法 |
用語 |
進歩性の判断手順とは(特許出願の) |
意味 |
進歩性審査基準には、審査官が特許出願の進歩性を判断する際にとるべき手順が定められています。
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内容 |
@進歩性の判断手順の意義
進歩性の判断手順は、事実認定及び法律判断の2つに大別されます。
A事実認定
(a)事実認定は、本件特許出願の発明の認定→引用発明の認定→一致点・相違点の認定という順序で進められます。
(b)特許出願の発明の認定は、特段の事情がない限り、特許請求の範囲(請求項)の記載に基づいて行われます。
(イ)特段の事情は、特許請求の記載の技術的な意義が一義的に明確に理解できないとか、特許請求の記載が誤りであることが一見として明らかであるという如き場合です。
→リパーゼ判決とは
(c)引用発明の認定では、引用文献に明文で記載されていないが、記載されているに等しい事項も認定します。
→引用発明の認定
(d)特許出願の発明と引用発明との一致点の認定では、両者の開示内容に上位概念及び下位概念の相違があるときの取り扱いに注意するべきです。
→引用発明との一致点とは
(e)特許出願の発明と引用発明との相違点の認定では、単に表現の相違に惑わされずに実質的な相違に着目するべきです。その際には、特許出願時の技術常識や発明の詳細な説明の記載を適宜参酌することが奨励されます。
→引用発明との相違点とは
B法律判断
(a)相違点に係る構成が他の引用文献にない場合には、単なる設計変更(設計的事項)であるか否かを判断します。設計変更であれば進歩性が否定され、設計変更でなければ進歩性が認められます。
→設計的事項とは(進歩性)
(b)相違点に係る構成が他の引用文献にある場合には、技術分野の関連性、課題の共通性、作用・機能の共通性、引用文献の内容中の示唆などを手掛かりとして特許出願の発明の進歩性を否定する論理付けを試みます。
論理付けができれば進歩性が否定され、論理付けができなければ進歩性が肯定されます。 →論理付けとは
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留意点 |
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