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771 インセンティブ/特許出願(米国)/進歩性 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
インセンティブ理論(特許制度の) |
意味 |
インセンティブ理論とは、一般に他者がある行動をとるように誘因・動機付け・刺激を与えることをいいますが、特許の分野では、社会に有用な技術を保護するために、主に発明者(又は承継人)に対して特許出願を行うことの権利及び義務を定めるという考え方を指します。
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内容 |
①インセンティブ理論の意義
特許制度を採用する根拠しては、自然権理論とインセンティブ理論とがあり、前者はフランスで、後者は米国で提唱されました。
インセンティブ理論は、発明者(又は承継人)は、一定の義務(特許出願による発明の開示など)を果たす見返りとして、保護(独占排他権)を与えるというものです。
すなわち、社会に有用な何かをした代償として保護されるのであり、いわば特許出願人と国との間の取引として特許を付与するのです。
②インセンティブ理論の内容
(a)インセンティブはアメとムチにたとえられます。ムチは必ずしも必要ありませんが、特許制度の場合には在ります。
(b)特に米国の場合にはシビアに要求され、特許出願人が義務を怠ると、特許を無効にされる可能性があります。
具体的には、第1に、特許出願の際に先行技術の開示義務を満たすことです。特許出願の審査(新規性・進歩性など)に役立つ先行技術は、特許出願人の知る限り、米国特許商標庁に提出しなければなりません。
米国特許出願と対応する外国特許出願(いわゆるパテントファミリーとなる特許出願)に関しても例外ではありません。 →パテントファミリーとは(特許出願の)
第2に、特許出願の明細書には、特許出願人の知る限りでの最良の実施形態を記載する必要があります。
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留意点 |
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