パテントに関する専門用語
  

 No:  878   

訴訟要件の種類/特許出願/進歩性

 
体系 権利内容
用語

訴訟要件の種類

意味  訴訟要件とは、民事訴訟(或いは行政訴訟)において原告がその請求について実質的な審判を受けるために必要な要件です。ここでは訴訟要件の種類に関して説明します。


内容 ①訴訟要件の概要

 特許出願の審査では実体要件(新規性・進歩性など)の審査に入る前に形式要件の審査があり、形式要件を欠くときには前述の新規性・進歩性の審査に入ることができません。

 形式要件を欠く特許出願について実体審査を行うと審査の労力が無駄になるおそれがあるからです。これと同じように原告の訴えが訴訟要件を欠くときには、裁判所は、本案の審理に入らずに不適法な訴えとして却下します。この訴訟要件として次の種類のものがあります。

②裁判所に関する要件

(a)事件及び被告がわが国の裁判権に服すること

 裁判権とは、一国の裁判所が事件又は人に対して行使できる権限を言います(→裁判権とは)。

(b)裁判所が裁判管轄権を有すること

 裁判管轄権は、特定の裁判所が裁判権を行使できる範囲に関する問題です(→裁判管轄権とは)。

③当事者に関する要件

(a)当事者が実在すること

 当事者とは、ある法律要件に直接関与する者を言います(→当事者とは)。

(b)当事者能力を有すること。

 当事者能力とは、当事者となることのできる一般的な資格を言います(→当事者能力とは)。

(c)訴訟能力を有すること

 訴訟能力とは、民事訴訟法上、訴訟当事者として自分が単独で訴訟を遂行するのに必要な能力を言います(→訴訟能力とは)。

(d)当事者適格を有すること

 当事者適格は、一定の権利又は法律関係に関して訴訟当事者、すなわち原告または被告として訴訟を遂行し、本案判決を受けるために必要な資格を言います(→当事者適格とは)。

(e)訴えの提起及び訴状の送達が有効であるこ 

(f)原告が訴訟費用の担保を提供する必要がある場合に担保を提供したこと(75条・78条)

④請求に関する要件

(a)同一事件が他に係属していないこと(142条)

(b)再訴の禁止や別訴の禁止に触れないこと(262条2項・人訴25条)

(c)併合の訴えまたは訴訟中の訴えにつきその要件を具備すること(38条等)

 訴えの併合とは、民事訴訟において数個の請求が主観的または客観的に結合された態様の訴えを言います(→訴えの併合とは)。

(d)訴えの利益があること

 訴えの利益とは、民事訴訟法上で原告の請求について本案判決をすることが紛争解決のために必要かつ有効適切であることを示す概念です(→訴えの利益とは

(e)仲裁契約や不起訴の合意がないこと

 仲裁契約とは、民事訴訟法で当事者双方がその間の現在又は将来の争いについての判断を第三者である仲裁人に委ねてその判断に服することを約する契約を言います(→仲裁契約)。


留意点

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