体系 |
権利内容 |
用語 |
特許権 |
意味 |
特許権とは、特許権者が業として特許発明を独占的かつ排他的に実施できる権利です。
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内容 |
①特許権の意義
(a)発明は、社会に公開されることで、次の技術革新のステップとなり、また産業活動に活用されることで、我国の産業を発展させます。
(b)しかし、発明者にとっては、発明は無体のアイディアであり、単に他人に模倣されると、発明完成までの労力や投資が無駄になります。
(c)そこで特許出願人に対して、新規発明の公開の代償として、一定の期間に限り独占排他権である特許権を付与して、発明を適正に保護することにしています。
②特許権の内容
(a)特許権の効力は、「業として特許発明を実施する権利を専有する」ことです。
(イ)「特許発明」とは、特許を受けている発明を言います。 →特許発明とは
(ロ)「業として」とは、広く事業としてという程度の意味です。個人的な実施は該当しませんが、営利目的でない実施は該当します(ex.国営工事としての事業など)。
→業として
(ハ)「実施」には、物の発明の場合には、その物の生産、譲渡及び貸渡等が含まれます。
(ニ)「専有する」ことの効果として、正当な権限なく特許発明を実施する者(侵害者)に対して、差止請求権(特許法第100条)や損賠賠償請求権(民法709条)などを行使できます。
そして差止請求権・損害賠償請求権などの行使をより効果的なものとするために、仮処分・仮差押といった保全処分が認められています(→保全処分とは)
特許権の本質に関しては、講学上、専用権説と排他権説という2つの考え方があります。
(ホ)特許権は有限です。特許権の存続期間は、原則として特許出願の日から20年の期間を超えません(→特許権の存続期間)。
(へ)外形的に特許権の行使であっても、権利の濫用となるような行使態様は許されません(→権利の濫用とは)。
(b)当該特許権について専用実施権が設定されたときには、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専用する範囲については、特許権者は、特許発明を実施する権利を専有しません(特許法68条但書)。
(イ)専用実施権は特許権と同様に物権的な権利だからです。
(ロ)「専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専用する範囲」とは、特許権の存続期間の一部について専用実施権を設定した場合、或いは、関東地区の如く一部の地域について専用実施権を設定したときには、その一部という意味です。
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留意点 |
実施の解釈上の「物」とは、原則として発明の対象である物全体を指すことに注意する必要があります(権利一体の原則)。しかしながら、この原則を徹底すると、例えば特許発明の対象であるラジオ一式の部品をセットとして販売した場合に、販売業者に対して特許権の効力が及ばないという不都合を生ずるおそれがあります。これを防止するために特許発明の実施の予備的行為を侵害とみなす間接侵害の規定が設けられています。
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