体系 |
権利内容 |
用語 |
選択発明 |
意味 |
選択発明とは、物の構造に基づく効果の予測が困難な技術の分野で、刊行物に上位概念で記載された発明に対して上位概念に包含される下位概念で表現された発明であって、刊行物に記載された発明により新規性を否定されないものです(進歩性審査基準)。
→選択発明の成立性
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内容 |
@「上位概念に包含される下位概念」とは、発明特定事項として複数の選択肢のうちの選択肢の一つを含みます。→選択発明の態様
A「刊行物に記載された発明により新規性を否定されないもの」より、刊行物自体に記載された上位概念の発明の実施態様は除かれます。→選択発明と新規性
B「物の構造に基づく効果の予測が困難な技術の分野」とは主に化学の分野です。この分野では、他人の特許発明の技術範囲内で、特許発明と同質であるが顕著な効果又は異質の効果を発揮されるものが選択発明として内在し、新規性・進歩性をクリアして特許となる可能性があります{昭和34(行ナ)13号温血動物に対し毒性の少ない殺虫剤事件}。
→選択発明と進歩性
→外国での選択発明
C先行発明と同じ効果を発揮する場合には他人の特許発明等との利用関係が成立します。→選択発明と利用発明
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留意点 |
特許出願の明細書を書くときに、要件A+Bからなる発明により効果Xが発揮されると言う場合、要件が全て揃えば効果Xが発揮されるように発明の要件を吟味しないと未完成発明となります。故に効果が異質な選択発明が特許になる余地は少ないと言えますが、化学の分野では事情を異にします。→選択発明の開示
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