体系 |
法律全般 |
用語 |
条理解釈とは(法令の) |
意味 |
条理解釈とは、条文を論理的推論に従って解釈することを言います。
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内容 |
@条理解釈の意義
(a)条理解釈とは、法体系や規定の趣旨を念頭に置きつつ、条文に論理をあてはめて解釈することをいい、規定の文言の通常の意味や文法の通りに規定を解釈しようとする文理解釈に対する概念です(→文理解釈とは)。
(b)古くから引き合いに出される例ですが、古い橋の傍らに“牛馬通行禁止”と書いた立て札が立っていたとします。
“立て札を書いた人の意図は、この橋は古くて重い物を支えきれないので、人間が通ってもよいが、牛や馬は通ってはならないという意味であろう。牛馬が駄目ということは牛馬より重い自動車で通るのはなおさら駄目だろう。”と考えるのが、条理解釈的な考え方です。
(c)立法者が全ての状況を想定して条文を作るのはおよそ無理なので、場合により条理解釈が必要になることがあります。
(d)特に法律の条文を解釈する場合に法律の目的を考慮する解釈を、目的論的解釈ということがあります。
(e)条理解釈には、次のものがあります。
(イ)文言が普通意味するところよりも若干広げて解釈すること文言が普通意味するところよりも若干広げて解釈すること(→拡張解釈とは)
(ロ)文言が普通意味するところよりも若干狭く限定して解釈すること(→縮小解釈とは)
(ハ)文言の意味から離れていることはいるが、類似した状況について、その類似性を理由に同様の法適用を行うように解釈すること(→類推解釈とは)
(ニ)一定の命題が定められているときに、その命題から反対の命題を導き出すこと(→反対解釈とは)
(f)少し変わった解釈として、“もちろん解釈”というものもあります(→もちろん解釈とは)
A条理解釈の内容
(a)例えば“当業者”という用語は、進歩性の規定と特許出願の明細書の記載要件(実施可能要件)とで用いられていますが、前者の規定の“当業者”での意味に比べて、後者の“当業者”の意味を広く解釈しようとする考え方があります。
すなわち、進歩性の規定に関しては、発明の属する技術分野の一部門(直接関係する部門)の当業者にとって容易に発明できたときは、進歩性がないものとなるが、実施可能要件の当業者は当該技術分野の全部門の当業者にとって実施可能でなければならない、従って当業者の範囲に広狭があるというものです。
→実施可能要件の当業者とは(特許出願の)
これは一つの考え方ですが、このように規定の趣旨から用語の意味を解釈するのは、条理解釈の手法です。
B特許法以外の条理解釈の例に関しては下記を参照して下さい。 →条理解釈とは(商標法の)
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